君想歌
差し出された薬に沖田は
素直に受け取る。

「はいはい。飲みますよ」


文句も言わず飲んだ沖田に
土方は布団の隣に胡座をかいた。


驚くべき態度の違い。

和泉が見たら怒るな。

「和泉は毎回俺が無理矢理
飲ませてると勘違いしてるぞ」

「だって和泉と過ごす時間が
少ないんですもん」


とりあえず弟分の言い訳を
土方は聞いてやる。


和泉と過ごす時間が極端に
少なくなり。

風邪をひいた沖田は和泉と
一緒に居る時間を増やすべく。


薬を飲まないという行動に。


相手からしたら迷惑な行為。


一緒に居てください、なんて
恥ずかしく言い出せない沖田に
助けの言葉を掛けてやる。


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