君想歌
*華*
和泉が隊務に復帰して半月。


屯所に知らせが舞い込んだ。


池田屋事件を機に長州は
兵を上げる。

その大勢が京へ進軍中と。


市中には既に知れ渡っている。

巡察の報告に沖田と共に
土方の部屋を訪れた。

だが和泉たちがつく前に
土方は部屋から出てきた。


「悪い。後だ」


切羽詰まった顔で局長室へ
向かった土方の背を見送った。


「……和泉、嫌な予感がします」

ぽつりと声を漏らし
隣に立った沖田は眉を下げた。

「そうだね……」


あまり大きく無い声で和泉は
答える。


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