君想歌
当分、報告は出来まい。


特別変わった事も起こってない。

この日の報告はしないでも
支障は無いだろう。


「冷たいお茶でも飲みましょっか」


沖田の誘いに頷くと踵を返した。


朝方でも太陽は容赦なく
照りつける。


少し歩いただけで汗ばむ身体に
いい加減に嫌気が差す。


「暑い……」

大広間は風通しも良く
他の部屋に比べれば涼しい。


この時期の和泉の部屋は
地獄となる。


陽当たりが良いのは逆に
夏場はキツい。


ここ最近は大広間と沖田の部屋を
行ったり来たりしていた。


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