君想歌
手拭いで顔を拭いながら
畳に藤堂も腰を下ろす。


「なぁ、二人とも暇?」


一通り汗が乾くと藤堂は
着物に袖を通した。


べったりと畳に張り付いた
二人を胡座をかいた藤堂は
見下ろす。


「何も用事は無いですよ」

「同じく」


午後が暇だと藤堂は知ると
顔を輝かせた。


「川行こうぜ!!」

「いいですねっ!!」

「日陰に居るけど行く」


乗り気の二人に藤堂は
元気良く立ち上がる。


夏の日差しの下では
さぞかし水が気持ちいいだろう。


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