Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
次の日の午前中まで、引き続き文化祭は行われる。そして、午後は片づけに当てられ、夢のような空間は一瞬にして元の学校へと戻されるのだ。
午前中まで行われているにはいるが、昨日と同じクラス展示とバンドの演奏が行われているだけなので、みのりは溜まっている仕事を片づけるために職員室で働いた。
それに、教室の中はエアコンを効かせているが、廊下はやはり暑い。
昼食後、全校生徒を集めての文化祭のフィナーレが体育館で行われるまで、みのりは職員室に籠城すると決め、コーヒーを飲んだり、仕事をしたりして時間を過ごした。
昼食を取って、職員用のトイレへ歯磨きに行った帰り、1年5組の女の子たちに呼び止められた。
「あー、仲松先生いたー!」
「先生、私たちが一生懸命作った迷路に、一度も来てくれてないでしょー!」
ギクリと、みのりの肩がこわばった。
「いやいや、行ったよ。迷路、結構難しかったね……。」
と言って逃げようとしたが、やはり逃がしてはくれなかった。