Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「……いやぁ……!」
今度は意思に反して、情けない声を上げてしまった。恐怖に加え恥ずかしさに、みのりは思わず両手を口で覆う。そして、ハッと、手を離してしまったことに気が付いた。
女の子はみのりが付いてきていないことに気が付かず、どんどん先に進んでいるみたいだ。女の子を、そして出口を探して、暗闇を手探りで進むが、いかんせん迷路だからそう旨くはいかない。
―― 一人になっちゃったよう……。
生徒たちは息をひそめ、心細くなったみのりの足音だけが響いている。天井の方を向くと、光が入ってくる窓辺の方向だけは分かったので、それを頼りにみのりは出口の方向へと少しずつ移動していった。
迷路は出口の前で、ベランダへの出入り口の方へと向かっている。
――こっちじゃない……。
と、みのりが方向転換した瞬間、みのりの視界に両手が浮かんだ。
……かと思うと、その両手がつながる腕は、みのりの両肩を拘束していた。
突然のことに、みのりはハッと息を呑んで目を見開き、身体を硬直させる。その次の瞬間には、その腕は更にみのりの身体に巻きつき、ギュッと力を込めて、みのりの自由を奪った。