Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
ようやく女の子たちが立ちすくむみのりを見つけてくれ、あっという間に出口へと連れていってくれた。
明るい所に出られてホッとしたのと、さっきの衝撃が入り交じって、みのりは廊下の隅にへたり込んだ。
様子を見に、何人かの生徒が近寄ってくる。
「あっ!先生、泣いてる……!」
一人の男子が大声でそれを指摘した。
「……ごめんなさい。先生。」
先ほどの女の子たちが謝ってきたので、みのりは不覚にも泣いてしまったことを後悔した。
「大丈夫。中でちょっと驚かされて、びっくりしただけだから……。」
みのりが指先で涙を拭きながらそう言うのを見て、女の子の一人が立ち上がった。
「ちょっと!いったい、仲松先生に何したのよ!!泣いてるじゃない!!」
と、迷路の出口から中に向かって怒鳴った。
「えっ!?俺、何もやってないぜ。」
「俺も……。」
中の男子たちは、戸惑いながら自分の潔白を主張する。
「大丈夫。大丈夫だから、男の子たちを責めないで……。」
みのりはそう言って、壁を支えに立ち上がった。
そうは言ったものの、まだ胸の鼓動は激しく気持ちも落ち着いてはいない。みのりはよろけながら、やっとのことで職員室へと戻った。