Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 午後からの片づけでは、クラスの生徒全員がどんどん働いた。
 みのりも、何もなかったかのように敢えてはつらつと、さらしてしまった醜態を忘てもらうためにも、率先して汗を流した。

 作るのは大変だったけど、壊すのは簡単。片づけは、あっという間に終わった。


 生徒も放課になった後、就業時間が終わると、みのりは即行で帰宅した。
 やはり、今日はあまり生徒と顔を会わせたくなかった。自分のアパートに戻ってリラックスしたかった。


 コーヒーを飲みながら、〝いつか読もう〟と思っていた本を引っ張り出して読んでみる。難解な日本史の専門書。たまにこうやって感覚を磨いて、自分をアップデートしておくのも大事なことだ。有意義な時間を過ごせると、心も自ずと満たされてくる。

 時間忘れてそれを読み耽った後は、いつもより少し手の込んだ料理に挑戦する。
 気持ちもお腹も満たしたら夜も更けてきたので、お気に入りの入浴剤を入れて、ゆっくりお風呂に浸かった。


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