Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 メールの文面では、『気にしてないと言ってくれてはいるが、遼太郎の心のつっかえはとれない。

 みのりのことだから、きっとこんなふうに言ってきてくれるとは思っていた。
 でも、あれだけのことをしておいて、みのりのあの身体の震えを感じ取っていたからこそ、みのりが自分を気遣ってこう言っていると、遼太郎には分かっていた。


 〝自分がやった〟という告白をするかどうかも迷ったが、遼太郎には黙っていることは出来なかった。

 悩んだ挙句メールを送り、みのりから優しい内容のメール受け取っても、それでも遼太郎の罪悪感は消えない。


――何で、あんなことしてしまったんだろう……。


 今更どうにもできないことを、遼太郎は悔やんだ――。



 文化祭も終わりに近づいた頃、暇を持て余していた二俣と衛藤と遼太郎の3人は、クラスの展示を見るでもなくブラブラとしていた。

 そこへ、1年5組の佐藤と荘野の姿を見つけた。二人ともラグビー部の後輩だ。


「何か、おもしれーコト、ねーのかよ?」


 案の定二俣がからんでいき、1年5組のクラス展示が「暗闇迷路」だと聞くと、中で驚かす役をやらせろと言い始めた。



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