Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「澄ちゃん。夕ご飯食べた?まだだよね。何か作ろっか。」


 みのりが涙を拭きつつ立ち上がって、キッチンへ向かった。


「ああ、別にいいのよ、夕飯は。私いつも適当なもの食べてるから、コンビニで何か買ってこようか?」


 澄子は心配そうに、みのりの背中に声をかける。


「ううん、澄ちゃんにはここにいてほしい。それに、何かしてると気が紛れるし……。」


 みのりは振り返って薄く笑い、冷蔵庫の中を確認した。


 痛々しいほどのみのりの様子を見て、澄子はこれが恋をすることなのかもしれない……と思った。
 自分のただ見つめているだけの恋など、恋とは呼べないのではないか……とさえ思えてくる。

 恋をしてこんな風になってしまうのは、もちろん怖い。
 でも、求めあいながらも別れなければいけない、身につまされるような恋に憧れる気持ちもある。

 そして、そんなふうに人を想い、想われるみのりが羨ましかった。


 みのりは簡単に、親子どんぶりとお味噌汁と野菜の浅漬けを作って、澄子に振る舞った。
 その夕飯に満足した澄子は、


「みのりさん。いつでもお嫁に行けるね。」


と、言った。みのりは寂しそうに笑い、


「うん。今度はもらってくれる人、探さなきゃね……。」


と、ため息をつく。
 ……澄子は、余計なことを言ってしまったとと口をつぐんだ。



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