Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「そうね……。狩野くんにだったら、言ってもいいかな?でも、聞いたら、教師としての私に失望しちゃうかもしれないよ?正直、狩野くんに失望されるのは怖いけど、そんなに気になるんだったら、本当の私を知ってもらうのも、いいかもね……。」
みのりは覚悟を決めたように目を開けると、遼太郎を見た。
――先生に、失望なんかするはずない!
心ではそう叫んでいたが、遼太郎はみのりが放つ緊張感に圧されて、ただみのりを見つめることしかできなかった。
「狩野くん。心の底から人を好きになったことはある……?」
みのりは苦しい心の内を吐露するような表情で、遼太郎に問いかけた。
「心の底から。……いや、ないと思います。」
心の底からどころか、ちゃんと人を好きになった記憶が、遼太郎にはなかった。
ただ単に、女の子をかわいいな…と思うこととは違うとは思っているが、そこから好きになるまでのプロセスが、全く分からなかった。
遼太郎の神妙な受け答えに、みのりは静かに頷く。
「……そう。まだ18歳だもんね。これからきっとそういう経験すると思うけど。……私ね、すごく好きな人がいたの。本当に心の底から好きな人。その人とお別れすることになったのよ。それで、辛くてたくさん泣いちゃったわけ。」