Rhapsody in Love 〜約束の場所〜




「先生、ラグビーって、どんなゲームをするスポーツだと思いますか?」


 『いきなりそう来たか…』という顔をして、みのりは遼太郎を見て目をパチパチさせる。


「ボールを持って走るでしょ?相手チームはそれを阻止しようと、タックルする。タックルされまいとパスして、パスして、トライ!やったー!って感じ…かな?」


 みのりが苦しまぎれの稚拙な説明をすると、遼太郎は口角を上げて笑いを含んだ顔をした。
 そして、次第に笑いが抑えられなくなって、ククク…と笑いを漏らした。


「え!?違った?試合を見てそんな感じだと思ったんだけど…。」


 みのりは、恥ずかしくなって真っ赤になった。


「いや、……だ、大体合ってます。そんな簡単にトライ出来たらいいんですけどね…。」


 笑いながら遼太郎がそう言うと、みのりはウンウン、と頷いた。


「先生、ラグビーって、簡単に言えば陣取りゲームなんです。」

「えっ!そうなんだ!」


 みのりは驚いた顔をして、左手を口に当てた。


「グラウンドがあって」


 そう言って、遼太郎は解説書のグラウンド説明のページを開いた。


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