Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「ボールを持ってる選手の後ろがそのチームの陣地になるんです。だから、このボールよりも前にいる…敵の陣地にいる選手は、プレーに参加出来ません。参加した場合、オフサイドって反則になります。」


 グラウンドの解説図を指差しながら、遼太郎が説明すると、みのりが目を輝かせた。


「狩野先生!今ので目からウロコが落ちました。なんだか、解った気がします!」


 案外単純なみのりに、遼太郎は机に突っ伏して笑いを堪えた。
 そんな遼太郎を、みのりは首を傾げて見つめる。


「先生って…….。面白い。」


 笑いが収まって顔を上げた遼太郎が、そうつぶやく。


「面白いって、どういう意味?ね、それより、だから前にいる人にパスできないのね?それじゃ、前にボールを投げるのもダメなのよね?」


 なんで自分が笑われているかよりも、みのりの興味はすでにラグビーについての知識を増やすことにあった。

 さすがに、呑み込みの速いみのりに、遼太郎は少し驚く。


「そうです。それはスローフォワードって言って、反則になります。だけど、前にキックするのはアリです。」

「あっ、そうだよね。キックはするよね!」



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