Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「前進して陣地を増やすためには、ボールを持って走るか、キックするしかないんです。」
「陣地が広ければ、ゲームの展開も有利に運べるわけね。」
「それと、いかにボールを支配するかです。たくさんボールを保持できてると、必然的にボールを前に運べるのでやっぱり得点しやすいです。だから、死にもの狂いでボールの奪い合いをします。」
「それで、タックルするのね!」
「1対1での奪い合いがタックルなら、いや、2人以上でもタックルに行きますが…。チームが力を合わせる奪い合いをモールやラックと言って…。」
解説書のページをめくり、遼太郎は写真を見せながらその説明をする。
「ね、この写真、スクラムと似てるけど、スクラムってどういうときにするの?」
「スクラムは、さっき言ったスローフォワードみたいな軽い反則をしたときに、ゲームを仕切り直して再開する方法です。俺はバックスなんでスクラムは組みませんけど。」
「衛藤くんや二俣くんは組むのよね!ぶつかり合うときの『ウッ!』っていう低い唸り声、男っぽくってドキドキしちゃう!」
両手を握ってみのりが頬を紅潮させた。