Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「確かにあのラグビーの試合中って、混乱することもあるんだろうね。でも、大丈夫よ、狩野くん。今度の試合では、きっと自分でも納得できると思うよ。それだけのことを、してきてるでしょう?」
自分に納得できていないのだろう。遼太郎は黙り込んでため息を吐き、視線を落とす。
「本当に、大丈夫よ?不可能なことを楽観的に『出来る』とは、私、これまで一度も言ったことないでしょ?」
確かにそうだった。みのりに励まされ期待されたことは、実現されてきた。
「自分を信じないと、仲間も狩野くんを信じてくれないよ。皆のためにも自分を活かして。そうすれば皆もおのずと活きてくると思うよ。一人一人が活きると、チーム全体もよくなってくるだろうし。…あ!あのラグビーの格言と一緒かも。『One for All …』」
「All for One」
みのりの声に遼太郎の声が重なり、みのりが本当に嬉しそうな笑顔になった。遼太郎もつられて笑顔になる。
……もう何度目だろう。こうやって、みのりに励まされるのは。
みのりはいつも、前に一歩踏み出す勇気をくれる。そしてそれを実現する力を、絶えず注いでくれる。