Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 すごい勢いで女子生徒が数人集まって来て、気圧されぎみに、みのりは答える。


「ええと、バスケ部の平井くんとか、野球部の遠藤くんとか、弓道部の白浜くんとか…」


「ああ♡平井先輩!すっごいかっこいいよねー!!」


 みのりの周りで、女子生徒たちが盛り上がり始めた。

 県大会があったおかげで、みのりも3年1組の誰がどの部活に入っているのか、大体把握していた。


「他には?先生!」


「サッカー部の大久保くんとか、さっき言ってたラグビー部の二俣くんとか、狩野くんとか、衛藤くんとか、後は…」


みのりは思い付くままに男子生徒を挙げていったのだが、話の途中で、一人の女の子の声が遮った。


「えーっ、狩野先輩!知ってるー!かっこいいよねー!!…いいなぁ、先生は、毎日3年生の教室に行けて…」


 この女子生徒の羨ましそうな眼差しに、思わずみのりはコケそうになった。


「いいなぁ…って言われても、私は仕事なんだから……」


――あの子たちの授業は、いい子にしてくれないから、とっても大変なんだぞ!


みのりは心の中で思ったが、それは口には出さなかった。


 それにしても、意外だったのは、あの女子生徒が二俣やバスケ部の平井ではなく、遼太郎に反応したことだ。


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