Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
みのりが振り返って顔を見上げると、先ほど話題に上っていた遼太郎だ。
「ああ、狩野くん。ありがとう。」
すぐ背後にいた遼太郎は、声をかけられて、みのりを見下ろした。小さな会釈をして、いつものようにはにかんだ表情を見せる。
……みのりの目の高さに、遼太郎の肩がある……。
遼太郎はいつも二俣の巨体の傍にいるためか、小柄に感じられていたが、意外と背が高いことに気がついた。
そして、髪の毛がぐっしょりと濡れていることにも。
「さっきの時間、体育だったの?もう水泳が始まってるのね。」
プールから3年1組の教室へ戻るには、この渡り廊下を通る。遼太郎は、〝何で判るの?〟という表情を見せたが、手を髪にやって納得しているようだった。
「こっちの窓も開けますか?」
プールバッグを長机に置いて、遼太郎が気を利かせた。
「そうね、暑いから開けちゃいましょう。」
と、みのりはそう声をかけ、遼太郎と一緒になって窓を開けにかかった。