Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
キーンコーンカーンコーン……
その時、次の授業が始まるチャイムが鳴り響く。
「狩野くん。ありがとう。もういいから、次の授業に行って。」
みのりにそう言われて、遼太郎は妙な表情を浮かべたが、手を止めてプールバックを抱え、教室へ行こうとした。
「次の授業の先生には、私に用事を頼まれて遅れたって言えばいいからね。」
遼太郎の後ろ姿に声をかけると、面白そうに顔を歪めて遼太郎が振り返った。
「……次は先生の日本史です。」
遼太郎が笑いを堪えてそう言った。例の午後の体育の後の日本史だ。
「えっ、あっ!そっか。」
と、みのりは赤面した。それから、恥ずかしそうに肩をすくめて、
「……じゃあ、プリント一緒に拾ってくれる?」
と、小さな声で遼太郎を引き留めた。
みのりが顧問を務める筝曲部の方も、高文連主催の邦楽大会が行われ、みのりは12人の部員を引率して大会会場へと来ていた。
筝曲部の大会は、琴の移動があるのでとても大掛かりだ。琴は楽器屋さんに運んでもらい、みのりは生徒たちを引率して、列車で移動する。もちろん、外部講師の先生も一緒だ。