Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 けれども、出席しない時間が長くなればなるほど、勉強も理解から遠ざかるし、教室にも居づらくなる。たまに姿を見かけても、その表情には覇気がなかった。

 そうなると、この芳野高校の教員たちは、箏曲部の吉長の時と同様、薄情なものだ。
 手のかかる生徒を厄介払いできるとばかりに、荘野本人の意思を肯定した。

 古庄は「辞めさせたくない」という意思に変わりなかったが、自分が関わると荘野が反発してしまって、却って逆効果になると判断し、みのりに最後の説得を頼んできた。


 その日は、体育の授業があったので、荘野は日本史の授業にも出席していた。
 授業が終わった後、少し話をしてみようと、みのりは荘野に声をかけた。最初は無難にラグビー部の話をしてみると、荘野もみのりには気を許して、いろいろと反応してきた。


 最近はゲームの仕方も分かってきたらしく、みのりがラグビーについて、ちょっと込み入った話もできるのを知って、


「先生、さすが応援に来てくれてるだけありますね~。」


と、楽しそうに笑っていた。


 ラグビーをするのがとにかく面白いらしく、その話をするときには明るい表情になる。


「荘野くんも、やっぱりラグビーが好きなんだね。でも、そうだったら、学校辞めないで、ラグビーも続けていってほしいな。」


< 656 / 743 >

この作品をシェア

pagetop