Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
しかし、みのりがそう言った瞬間、荘野の顔色が豹変した。表情に陰が差し、顔の筋肉を強ばらせる。目を伏せ、小さく会釈をすると、教室を出ていってしまった。
みのりは授業道具をまとめて、荘野の後を追いかける。
「荘野くん、待って!ちょっと話をしたいの。」
「話すことなんてない。どうせ古庄先生と同じこと言うんだろ!」
眉間にシワを寄せ、その表情は苦痛そのものだ。彼にとって、今一番触れてほしくないことなのだろう。
「古庄先生が何言ったか知らないけど、それは関係ない。荘野くんが今何を考えてるのか、それを教えて。」
荘野の背後から、みのりは懸命に言葉を投げかけた。しかし、肩をいからせて、頑なに振り向こうとはしない。
みのりは走って荘野に追いついて、その腕を引っ張った。
「うるさい!!もう、放っといてくれよ!!」
荘野は反射的に、みのりの手を振りほどこうと、腕を振り回した。
それがみのりの授業道具を持つ方の腕に当たり、教科書や板書ノート、出席簿やチョークケースが廊下の床に散らばった。
その音に荘野が立ち止まり、振り返った時に、
「荘野!お前、何やってんだ―!!」
地鳴りのような怒号が、廊下中に響き渡った。