Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 遼太郎は、二俣や荘野のことを信じきっているようだ。ラグビー部のこの絆の強さは、感服に値する。


 みのりは溜め息を吐いて肩の力を抜き、散らばった授業道具を拾い始めた。遼太郎も黙って、遠くまで飛び散ったチョークの欠片を拾い集める。

 みのりの近くのそれを手に取った時、


「荘野くん、学校辞めるって言ってるの。」


と、みのりは事の経緯を遼太郎に打ち明けた。


「えっ…?!ホントに?部活では普通にしてますけど…。」


 遼太郎はびっくりしたようで、目を剥いていた。


「部活は楽しいみたいだけどね…。話をしようとすると、あの調子だし…。」


 再びみのりは、深い溜め息を吐いた。


「あの、俺。今日部活の時に話をしてみます。」


 遼太郎が、そう言い出してくれたのを聞いて、みのりは遼太郎になら任せてもいいかもと、思った。


「じゃあ…。荘野くんが考えてることを、聞いてあげてくれる?無理やりに、引き留めたりはしないであげてね。」


「分かりました。」


と頷きながら、遼太郎はみのりにチョークケースを渡す。


「ありがとう。」


と、それを受け取った時、みのりの視界に、遼太郎の学生服のボタンが飛び込んできた。

 その瞬間、初夢の中でそのボタンを外したことが、みのりの頭にオーバーラップする。


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