Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「荘野くん、朝イチで謝りに来てくれたよ。学校も辞めるかどうかは、もう少し頑張ってから決めるって。ホントにありがとうね。」
3年1組の授業が始まる前に、みのりはそう遼太郎と二俣にお礼を言った。
遼太郎はいつものように、はにかんで首をすくめる。二俣は顔を真っ赤にして、それをごまかすように、みのりの肩に腕を回した。
側にいる遼太郎は、その二俣の行動を見て目つきを鋭くする。
「俺ぁ、みのりちゃんのためなら、一肌でも二肌でも脱ぐぜ。また、困ったことがあったら言ってくれよ。」
大きな二俣に肩を組まれると、みのりは潰れてしまいそうだ。遼太郎は思わずみのりの腕を掴んで、二俣の腕の下からみのりを引っ張り出した。
みのりという支えを失った二俣は、重心がくるってよろけた。
「何すんだよ!」と言わんばかりの二俣と、怪訝そうに眉根に皺を寄せた遼太郎の視線がぶつかり合ったところで、始業のチャイムが鳴った。
授業は、すでにレポートの執筆にかかっていたので、みのりは時折机間指導して助言をすればいい程度だった。
毎年、この時期の私立志望組は、ほとんどの者が進路を決めているので、授業の内容に頭を悩ませていた。
このレポートの作成は、生徒が能動的になれるので、これは来年からも「使える」とみのりは思っていた。