同居相手は黒猫くん
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〈俺…もしかしてあいつのこと…?〉
私はリビングのソファに座り、みっちゃんから借りた少女漫画を読んでいた。
なかなかに面白い。
「……グスッ…」
感動的なシーンではまんまと泣いてしまう。
でもキュンキュンするものがあって、読んでてとっても楽しい。
「…親父まだ?」
2階から降りてきた刹が、お母さんに話し掛けているのが聞こえる。
私はそれを一瞥して、再び手元の漫画を読み進めた。
〈俺、お前のことが〉
「…〈好きだ〉」
ギョッとして振り向くと、なんとソファの後ろから刹が漫画を覗いていたのだ。
「ビックリしたぁ…」
「何その臭いの」
「しょ、少女漫画だよっ」
刹はそう聞くと、はぁ?と首を傾げた。