極上エリートの甘美な溺愛
「あ、あ、あの、別に」
「別にじゃないでしょ。会社の真ん前で抱き合わないでくださいよ」
「あ、あは、そ、そうだね」
ははは、と笑いながら、するりと将平の腕の中から離れようとするが、瞬間その腕を将平が掴んだ。
「しょ、将平」
照れながら焦る玲華に、将平もようやく我に返ったのかその手を離した。
「こ、ここじゃまずいから、また、連絡するね……私も、タクシー捕まえて展示場に行かなきゃ」
「あ、ああ、そうだな」
ぎこちなく照れる二人に、目の前の後輩は肩を竦めながら呟いた。
「あーあ。葉山さんに恋人がいたなんて社内に広まったら、ショック受けるオトコいっぱいいますね」
からかうような呟きは、玲華の顔を真っ赤にするには十分で。
「えっと、その。私は将平の恋人……で、いいんだよね?」
恥ずかしそうに、その瞳を将平に向けた。
もちろん、将平の答えは。
「恋人、絶対に、恋人だから」
お互いの気持ちを安心させるようなはっきりとした声に、玲華はくしゃりと笑い、大きく頷いた。
【 完 】


