神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「それでそんなに世界の終りのような顔をしておるのか?」
四郎くんが突然話題を戻すから、頬が熱くなってしまう。
今まで人間の友達がいたことがなくて、恋バナになれていないから。
「も、もういいでしょっ。
あたしドラマ見るから、静かにしてて!」
くるりとテレビの方に向き直ると。
大画面の液晶テレビの画面に、どどーんとキスシーンが張り付いていた。
「ほう」
顔のアップから引きの映像になり、スーツを着た俳優さんが、女優さんにのしかかる。
「あわわー!」
これは気まずい!
チャンネル変えたいけど、ドラマ見るって高々に宣言しちゃったし。
よし、トイレに行こう!
と思った瞬間、四郎くんに手首をつかまれてどきりとした。
「な、なに」
「見るんだろう?これ。
さあ座れ」
四郎くんはまぶしい笑顔で、ソファの空いたスペースをたしたしと叩く。
ちらとテレビを見ると、きわどいシーンはあっさりと終わっていて、あたしはほっとため息をついた。