神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
食欲魔神で、セクハラ大王な俺様かと思っていたけど、本当はいい人なのかも……。
ちょっぴり見直した瞬間、四郎くんは悪ーい顔でにやりと笑った。
「もしああいうことがしたいのであれば、我がいつでも相手をしてやる。
だからそんなに落ち込むな!」
ああいうこと……
もしかして、さっきのドラマみたいなこと?
思いだすと、ぼふっと頭から蒸気が飛び出る。
「ちちち、違う、あたしは……」
しどろもどろなあたしを見て、四郎くんはあははと笑う。
「この平和な世の中はいいな。
昔は明日食べるもののことを心配してばかりだった。
色恋沙汰など、二の次だった」
「……それって、いやみ?」
昔の人に比べて、今の若者は脳天気だって言いたいの?
責めるように見上げると、四郎くんは首を横にふる。
「幸せなのだ、この世は。
禁教もない。職業も自由に選択できるし、食べ物も豊富だ。
健康に生きてさえいられれば、あとは努力次第でなんでもできる気がする」
「…………」
なんでもって……それほど甘くはないと思うけど。
四郎くんが言うと、そんな気がしてくるから不思議。