神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「とりつく人間を探すどころか……直接食いにくるとはな。
ここの主の神は……恐れをなして隠れてしまったのか。
まったく、神なんてやつはどいつもこいつも信用できん」
「食う?隠れたって……」
「そのままの意味だ」
四郎くんは浴衣のエリを抜き、胸にかけてあったロザリオをにぎる。
その途端、雑木林の中からがさりと何かが飛び出した。
「いた!四郎様!と、美心ちゃん!」
「六花さん!」
あたしたちの名前を呼んだのは、ろくろ首の六花さんだった。
美しいお顔が闇の中に浮かんでいて、なんとも不気味。
伸びた首の向こうから、体が追いかけてきている。
「もう、こんなところで何してたのよ。
オロチの気配を感じたっていうのに、二人とも連絡が取れないんだもの」
「ご、ごめんなさい……」
「ちょうどよかった。
六花、美心を避難させてくれ。
我はオロチを討ってくる」
台風くらいの暴風が吹き荒れる中、四郎くんはロザリオに息を吹きかける。
するとロザリオは一瞬で、十字の杖に形を変えた。