恋するほど   熱くなる
都内のあるビルの中へ入った。

ダンス・スクールだった。

私は言われた通り

ロッカー室でレオタードに着替えてフロアで待っていた。

荒木さんは階下の事務室へ寄ると言ったので

私一人が誰もいないこの稽古場にポツンと立っていた。

三面が鏡張りでバーがぐるりと付いていた。

音楽が流れていたので思わず身体が動いた。

私は学生時代クラシック・バレエを習っていたので

何となく踊ってみたくなったのだ。

自分の好きなように動いた。

元々身体が柔らかい方なので

久しぶりに動かせて嬉しかった。

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