Dear.



そんな時の夜の事だ



「子供の名前まだ決めてないのっ?!」



あと二ヶ月もすれば出て来てくれる、というのに総司はヘラッと笑いながら「まあね」というだけ


「もう早く決めてよ!
こんなお父さんじゃ子供も嫌がるよっ!?」


一緒に入ってる布団の中で彼を見上げながらそういうと総司はゆるりと口元に弧を描き、ニヤリと笑う



「出てくるよ、僕が何の為に毎日この子に喋りかけたと思ってるの?」



「でも、名前がないのは可哀想よ」



「だって、慶一郎はいやなんだろう?」



「当たり前よ」



総司は名前を決めていないわけではないのだ
決めても全て私によって取り下げられてしまうのだ


だって、慶一郎とか、慶子とか明らか様に間私の名前をとってひつっけたような名前ばかりしかつけようとしないんだもの



親に似た名前をつけるとその親と同じような風に育ってしまうとか、そんな運命をだとってしまうとか、そういう迷信を聞いた



ただの迷信かもしれないが、それでも自分のような運命は辿って欲しくないと誰しもが思うものである



「ちゃんと、考えて!」



「ん、そのうちね。」


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