Dear.
「..あの、二人はっ..?!」


浅葱色の群衆の中で一人だけ黒い服を纏った山崎様に恐る恐るそう聞く


すると、山崎様はハァ、と軽いため息をついた後


「生きてるで。」


そう残念そうに呟く



「え..。」



「ほんまなぁ、なかなか死なんでこいつら。
この世に未練ありすぎやろ。」



”特にこの戦闘馬鹿はなっ!”と付け加えると総司の鼻をギュウウウと強くつまむ


「や、山崎様!
そんな事をしてはっ!!!」



なんかやたらと叩いたりつまんだりして昨日の昼間の鬱憤を晴らす山崎様



そんな姿を見ながらオロオロしていると、山崎様は総司に指を差す


「こいつ、よろしくな?

俺、嫌いなもん看病するほど心広くないねん。

それに平助の看病もせんとあかんから、な?」



「は、はぁ。」


私が曖昧に返事をすると藤堂様を担いで手をひらひらと振り、部屋の中へと入って行った



でも、看病を任されたけど、医学の事はさっぱりな私は、何をすればいいのか分からず、結局山崎様の入った部屋に急ぎ向かって、何をすればいいかなどの手解きをうけたのだった



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