神聖魔法団【上】
「離せよ!
俺が油断したから、俺が・・・」
くそ!
どこに行ったんだよ・・・。
「俺たちだって心配だよ。
でも、風雅が探す前、俺も探した。
だけど、居なかったんだよ・・・」
「そんなこと知るか。
俺はまだ探してない。
きっとこの辺じゃなくて、遠くにいるんだ」
俺は歩きだそうとした。
だが、
「待って!」
天音に服を掴まれた。
「感じないの。
涯の魔力も瑠雲の魔力も黎奈の魔力も・・・」
泣いてるのが分かった。
「私たちだって、そう思いたくないよ。
でも・・」
天音が俺の背中に頭を預け静かに泣いている。
「信じたくねぇ・・・。
黎兎になんて言うんだよ!?」