私立聖星魔法学園

ピピピピ ピピピピ





目覚まし時計の音が部屋に響く





「ん〜…うるさーい……」



眠い目を無理矢理こじ開けて音を止める





「ふわぁあ〜…んー!よく寝た!…てかここどこ?」




大きく伸びをして周りを見まわすと知らない部屋





(あ、そっか。あたし魔法の世界に来たんだっけ…)



まるで昨日のことが夢の世界のことのようだけど、現実なのだと思い知らされる



「あら、恵やっと起きた。おはよっ」



声のする方を見るとキッチンに立つミナが朝ごはんを作っていた




「おはよー。やっと起きたってあたしそんなに寝てた?…もしかしてこのままだと遅刻⁉︎」



「それは大丈夫よ。学校は9時からだもの。ここから学校近いし、歩きで10分もしないから余裕よ」




そう言われて時計を見ると今は7時半


じゅうぶん間に合う時間だ




「それより顔洗って来たら?恵の分のゴハンも作ってるから」




「わかった。ありがとー」




ミナはすでに料理に没頭している



言われるがまま洗面所へ向かい顔を洗う




「っはー!サッパリした〜…?」




顔を洗い、鏡に自分の顔が写る




いつもと同じ顔で、なにも疑問に思うことはない。はずなのに





(なんだろ…なにかが違う。なんかいつもの自分じゃない気がする…いったいどこが………)






「あ––––––––––っ!!!なにこれ‼︎⁉︎?」




よくよく見ると、自分の耳がとんがっている




まるでミナと同じように…





「恵⁉︎どうしたの!!」





あたしの声を聞きつけ洗面所に来たミナはあたしの耳を見るなり顔を真っ青にしてその場に座り込んでしまった





「ちょっミナ!大丈夫⁉︎」




「え、えぇ。わたしは大丈夫。それより恵、そ、その耳は…?」





「今あたしも気づいたの。昨日は普通だったのになぁ」





「…もしかして恵、あなた昨日湯船浸かった?」




「え?えーっと…浸かった…かも?」





そう言った途端、ミナが恐ろしい形相で迫ってきた




「昨日湯船には浸からないでって言ったじゃない!どうするのよ、その耳!!エルフ族でもない人がそんな耳になって!」



「ご、ゴメンなさい…」




「ゴメンじゃすまないのよ!こんなの見たことないから私じゃ治せないし、かといってほかのエルフ族が見たらどうなるか…!!」





「ほ、本当に申し訳ありませんでした…」




そのままあーでもないこーでもないと1人で頭を抱えるミナに謝るしたのか出来なかった



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