彼となら、   熱くなれる
「今の何?今の感じ、初めてなの。」

「全く正常だ。おまえは不感症なんかじゃない。よかったな。これで安心しただろ?」

兄はグローブを手から引っ剥がして後ろを向いた。

「服を着なさい。」

「いや。」

「ダメだ。これ以上はダメだ。」兄はきっぱりと言った。

「でも私、このままじゃどうにかなっちゃう。最後までお願い。いけないことはちゃんとわかっているわ。でも抑えられないの。お願い、私を静めて。兄さんの体で熱くなりたいの。今だけ、今だけでいいの。」

私は起き上がり、ベッドの上で横座りをした。

「兄さん、私を見て。私のこと、嫌い?」私は兄の背中を見上げていた。

「珠良を嫌うわけないだろ、俺の大切な妹だ。」兄は振り向いてくれた。

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