雪恋ふ花 -Snow Drop-
「おはよう」
すぐ隣の布団で春人がこっちを見ていて、珠はどきっとする。
「おはよう」
「よく眠れた?」
「うん」
気恥ずかしくて、珠はすぐに洗面所へ向かった。
2日目も好天に恵まれ、二人は存分にスキーを楽しんだ。
今日は富士山が遠くに小さく見えるスポットに、春人が案内してくれた。
どんどん滑れるようになって、スキーが楽しくなるにつれ、珠の心は沈んでいた。
もう、春人と一緒にスキーに来る理由がない。
春人と一緒の時間を過ごす口実がなくなってしまう……。