雪恋ふ花 -Snow Drop-
「春さん、どうしてそんなこと、話してくれたの?」
「うーん、珠ちゃんも同じなんじゃないかって、思ったから。彼氏といる時、あんまり幸せそうには見えなかったから」
気がつくと、珠の目から涙がこぼれていた。
「あ、いや、ごめん……。なんか、踏み込みすぎたよね」
春人がにわかに慌て始める。
でも、珠はくっと顔をあげると、春人をじっと見つめて言った。
「わたし……」
「うん」
「別れたの……賢ちゃんと」
「そう」
こんな時、なんと言って返せばいいのか、春人にはわからなかった。
気のきいた一言を言えるほど、春人は世渡り上手な性分ではなかった。