「最後まで候補に残ってくれ。
……俺のために」
辺境の地、クアトリーに住むリティシアは
故郷の待遇改善を直談判するために
次期国王ランベールの妃候補に名乗りを上げた。
数多くの令嬢が集まる王宮は
珍しくて楽しいだけの場所ではなくて……。
「そんなふざけた態度で候補に残るなんて
恥を知りなさい」
「あなたが怪我をすれば、
自分が妃に一歩近づけるんじゃないかって……」
「もうこんな真似はしないって約束して。
妃候補から脱落しても、命だけは失わないって」
「お妃様になったら、
私を一番の友達って紹介してね。
……絶対、負けないで」
――華やかな社交界の影で暗躍する者たち。
次期国王としてひとり戦うランベールに
リティは少しずつ惹かれていき……。
(一生分の恋をしたわ。
この思い出だけで生きていけるくらい)
「俺が生涯をともにしたい相手は君だけだ」
――選ぶのは、国のための結婚?
それとも……?
- あらすじ
辺境の令嬢、リティシアはあまり待遇のよくない自領地を改善するべく次期国王ランベールの妃候補に立候補した。集まった令嬢たちとの出会いと別れを経て、少しずつランベールと距離を縮めていくリティシア。しかし妃選びの裏側では、さまざまな思惑が入り交じっていて……。「ノルディアの炎が絶えるその日まで、君を愛すると誓おう」真面目な次期国王×頑張り屋の貧乏令嬢のもどかしい恋の行方は……?