舞う風のように
物凄い音を立て襖を開いた彼。
…どうもやる事が宮間に似ている。
そういえば宮間は生きているだろうか。
「…俺は新選組一番隊組長、沖田総司。我ら新選組に刃向かう者には容赦はしません。…貴方はどうしますか? 」
長身の美丈夫。沖田総司はにこやかな笑みを浮かべ、俺に静かに問いかけた。
俺も笑顔を崩さない。
笑顔は相手に心を読ませず、時として相手を怯ませる武器となる。
「そうですね。…俺は長州の者ではありません。」
少しの空白。
「では…大人しく屯所へ来て貰いたいのですが。」
笑顔。だが眼は笑ってはいない。
敵に有無を言わせぬ迫力があった。
「…そうですね。私は確かに長州の者ではない。貴方方を恐れる心配はない。」
「ではーーー」
「ですが。」
屯所へ来て下さい。
そう言いかけた沖田を途中で遮る。
「…拷問はごめんです。特に新選組副長の拷問は地獄と聞きます。」
だんだんと沖田の表情が険しくなっていく。
「…それに、今。新選組に捕まると此方としても色々面倒なのですよ。」
ーー女の子に会えなくなるのも寂しいですし。
と、冗談で付け加えて見た。
沖田が笑みを取り戻した。
「そうですか…俺は、出来るのならば人はあまり斬らない方が良いと思っています。
ですから…俺としてはとても残念です。」
カチャリ。
沖田が刀を抜いた。
「…貴方を斬る理由が出来てしまった。」