舞う風のように
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室内だというのに、少し強い風が吹き由紀の短い髪を弄ぶ。
室内の畳が冷気でパキパキと音を立てた。
由紀は、床に力なく横たわる沖田を見下ろした。
その顔はさっきまでの笑みは無く、まるで能面のよう。
その綺麗な瞳には光はない。
「…この程度か。 」
沖田を殺してはいない。気絶させただけだ。
いつの間にか、あれだけ響いていた金属音も止んでいる。
小さな音をたて刀を鞘に戻した。
「…さてと、容保様の元へ帰りますか。」
小野寺とも一応連絡は取った方がいいかもしれない。
そう思って部屋から出ようとした時だった。
ふと感じた三、四人の気配。
階段を上ってくる足音。
(しまった、時間をかけ過ぎたか… )
俺は暗闇の中、静かに顔をゆがませていた。