誰もしらない世界
れいか「もしもし!お待たせしてごめんなさいね。どうしたの?」

広いリビングのソファーにれいかはタオルを巻いたまま座り電話を続けた。

側近の男「あの、杉浦さんがですね…」

れいか「なに?どうしたのよ?」

側近の男「例の会社のブランドのオーナーがこちらの重要な情報をもっているとか何とかで、その情報が漏れないようにどうにかしろっていうんです。ぼ、僕があの社長を殺せといわれまして…」

れいかは目を細めて聞き返した。

れいか「それで?」

側近の男「そ、それで…殺せないなら僕を消すって脅されて、あの、多分その証拠のデータを抹消さえすれば、人も殺さなくてすむんです。ですから…」

れいか「ですから何よ?」

れいかはため息をつく。

側近の男「ですから、れいかさんに協力してもらおうかと。」

れいか「私は何もできないわよ。」

側近の男「……」

少し躊躇いながら男は強きにでる。

側近「しってるんですよ。あなたが、あの会社ごと乗っ取ろうとしてることも全て。」

れいかはしかめっ面をする。

れいか「なに?誰から聞いたのよ。」

側近の男「それは、調べたらわかります。」

れいか「あーもーわかったわよ。どうせ杉浦さんでしょ。敵わないわあの人には。」

側近の男「頼みます。」

れいか「いいけど、ただじゃやらないわよ。そう伝えといて。じゃあね。」

そう言ってれいかは電話を切って電話をソファーに投げ捨てた。

独り言でれいかはブツブツと呟く。

れいか「たくっ、もう。なんなのよ、なんでばれてんのよ。…はぁ、、でも仕方ないか…ここは素敵な杉浦城だもんね…。」

れいかはやりきれない気持ちとは裏腹に杉浦の事が信じられないのに、信じたい二つの複雑な感情に揺れていた。
< 234 / 304 >

この作品をシェア

pagetop