謝罪のプライド
私の謝罪を、彼は告白への返事だととったのだろう。
しばらくの沈黙の後、力ない声が聴こえる。
『ううん。俺こそ困らせてごめんね』
数家くんは何も悪くないよ。
今の電話だって、私は本当は甘えたくてかけただけだ。
「……私、怖くて」
『ん?』
「浩生に電話がかけられない」
『新沼さん……』
「話さなきゃいけないのに。嫌われてるのか確認するのも怖いの」
尊敬して、憧れてた。
彼が私を選んでくれたことも、長らく信じられなくて。
付き合ってからも嫌われるのが怖くて彼の言葉に頷き続けてた。
「私……」
好きすぎて苦しい。自分が壊れてしまいそう。
『……参ったなぁ』
やんわりとした優しい声からぬくもりが伝わるような気がした。
『今からそっち行っていい?』
「え? ダメだよ」
意外な問いかけに、瞬発力で返事をすると電話越しの声が笑った。
『今会ったら落とす自信あるけどなぁ』
悪気もなさそうに凄いこと言うな。
少しおかしくなって、電話を持つ手が震えた。
涙が、止まらずに流れていく。
「……揺らがない自信が持てないから来ないで」
ポツリと本心を告げると、しばらくの沈黙の後、彼は優しい声で続けた。