謝罪のプライド

久しぶりの浩生の香りに酔ったみたい。
もっと欲しくて堪らなくて、掴む手に力が入ってしまう。


「……んっ」


上唇と下唇を交互に吸い上げるようにして私を堪能した彼は、少しだけ息を荒らげて私を離す。


「……抵抗しなかったな」

「だって」


ふらふらだもん。浩生に支えてもらって、ようやく立ててる感じ。


「会社の奴らに見られたぞ」

「浩生がしたんじゃないの!」


恥ずかしさに言い返すと、浩生はしれっとした顔で返した。


「俺は見せつけるつもりでしたんだ」


そのまま、彼はぐいと私の手を引っ張り歩き出す。


「……初音がずっと会社で他人行儀にしたがるのは、俺との付き合いを知られたくないのかと思ってた」

「別にそういう訳じゃ……。ただ、社内恋愛とかあんまりおおっぴらにしないものでしょ?」

「俺は気にしてない。お前に変な誤解を与える位なら、最初っから魅せつけときゃ良かったんだ。いいか、坂巻の件だがな……」


浩生が歩きながら教えてくれたのは、美乃里とホテルに行ってしまったあの夜のことだ。

あの日、CEたちは十二時ごろに二軒目をでて、そろそろお開きにしようという話になったのだという。

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