謝罪のプライド
「そうだね。不安にはならないよ。一緒にいても気楽だったしね……でもそれって多分」
彼の三白眼が私を捉えて、私の心臓はピッチをあげる。
「好きな人じゃないからだよ。……ドキドキするのも、不安になるのも、それが好きな人だからだもん」
彼の手が、向かい側から伸びてきて私の手を捉える。
「……そうか」
「そうだよ」
嬉しいけど、この手ってどうしたら良い?
お店だからこれ以上どうにも出来ないのだけど。
「……ねぇ、美味しいからまた来たい」
悪戯心も含めてそう言うと、浩生は眉根にシワを寄せて手を離した。
「俺と一緒の時にしろ」
「うん」
なんとなくわだかまりも解けたかなと思えて、私達はもう一杯ビールを注文して乾杯した。