謝罪のプライド
「おばちゃん、騒ぎすぎ」
「息子同然の甥っ子が結婚するんだ、騒ぎすぎってことはねぇだろ」
そういって、奥からお茶を出してくれたのはお店の店主、すなわち浩生にはおじさんにあたる人だ。
板前さんが着るような白色の甚平のような作業服を来て、作務衣帽をかぶっている。
イカツイ感じに見えるけど、笑うと雰囲気が優しくなるみたい。
「素直じゃないやつだからよろしくお願いしますよ」
「いえ。私のほうが意地っ張りで」
「喧嘩したらウチにくるといい。浩生の弱みなら一杯握ってる」
「おじさん、なんてこと言うんだよ」
「そうよー。浩ちゃんってほら、なんてったっけ、ツンデレだから」
「つ……あはははは」
思わず笑い出してしまった。
だって浩生がツンデレって……つか、おばさんがその言葉を知ってることに爆笑だ。
「おばさんって楽しい人ですね」
「初音ちゃんは可愛いねぇ。私にも娘ができるんだねぇ」
聞けば、おばさんたちにはお子さんはいないのだという。
昔流産して、それ以来妊娠しにくくなってしまったのだそうだ。
お店も忙しかったからじきに諦めた、と彼女は寂しげに笑う。
「でも、浩ちゃんがいたからね。お陰で寂しくなかったよ」
「そうだろう。俺は親孝行だからな」
「だから今日は嬉しくって……そうだ。待ってて」