謝罪のプライド

「なによ、大丈夫だよ」


膨れた私に、亜結はウィンクを返す。


「すぐ反論できるようなら上等!」


亜結の笑顔は、大輪の花のようだ。

……私だって、心配だったよ。亜結が前の彼と別れて、泣いて沈んで開き直って、男なんてもういいわって言った時。

だから今日という日が凄く嬉しい。
清水さんと出会って、ものすごい勢いで幸せへの階段を上っている彼女が、ちゃんと彼女らしく男前なままなことに感動する。
清水さんはきっと、誰といるより彼女らしくいられる相手だったんだろう。

私にとって、浩生はどうかな。

彼を想って迷ったことも、泣いたことも一杯あった。
私らしくないって思う時もたくさん。

だけど、気持ちを確かめるたびに、彼との距離が縮むのを感じるたびに、彼を守りたいって思える自分にも気付き始めた。

思いの外不器用な彼を、理解できるのはもしかしたら私だけかもしれないなんて自信まで。

幸せになろう?
幸せになれるよ。

私も私らしく、できれば格好良く。
亜結に負けないように。


「亜結こそ、清水さんを幸せにしなよ」

「あれ、俺がするんじゃないんですか?」


隣の清水さんが急に慌てふためいて、周りでどっと笑いが巻き起こる。

どの顔も目尻を下げて、嬉しそうな弾んだ声をだし、優しい空気に包まれる。

幸せをお披露目する結婚式。
私もおすそ分けをいただけたようだ。



< 186 / 218 >

この作品をシェア

pagetop