謝罪のプライド
「私もそう思ってたけどさ。親戚の話を聞いたりすると、早いほうが楽なの? って気もして」
「何が? 妊娠?」
「それもだけど。子育て自体が」
「そう? いつやっても変わらないんじゃない?」
子供を育てるってこと自体がリアルに思い描けない。
主婦になった私位ならなんとか想像できるけど。
「妊娠するとまず子供に栄養が取られます」
亜結は真顔で私に詰め寄ってくる。
「年取ってからだともう、肌ツヤとか髪ツヤとか色々ボロボロになるらしい。産後の復活も若いほうが早いよって」
「ほう」
「それにね、つわりとかって普段の健康とか関係ないわけ。酷い人は酷い、食事も喉を通らなくなるほど。しかし、赤ちゃんは勝手に栄養を取っていくわけだから。ほーらボロボロになるのは私だけ」
やたら流暢に話す亜結を見ていて、不意に思い当たる。
「……つまり、人の妊娠話聞いてたら怖くなったのね?」
「まあそゆこと。励ましあえる相手が欲しいなって思って」
「アンタも勝手だよね……」