風の詩ーー君に届け
初めて聞く言葉に、安坂は聞き返す。
カウンターでの会話が聞こえたのか、理久も安坂の隣で身を乗り出している。
「群れを作り移動する動物に、稀にある習性なんだが……あまり知られてはいない。
群れの中で弱ったり、怪我をしたり障害を持ったものが、仲間を守るあるいは仲間を生かすための行為らしい。
自身が敵の餌食になるため、自らを傷つけ弱らせ、単独で敢えて目立つようにすることもあるそうだ。
5年前……。
仕事のトラブルで追われる羽目になり、横浜に逃げてきたことがある。
腹部に傷を負い、歓楽街の路地へ逃げ込み、飲み屋の建物の間に隠れた時……。
詩月に会った」
大二郎は、カップを手にとり珈琲を一口啜って続ける。
カウンターでの会話が聞こえたのか、理久も安坂の隣で身を乗り出している。
「群れを作り移動する動物に、稀にある習性なんだが……あまり知られてはいない。
群れの中で弱ったり、怪我をしたり障害を持ったものが、仲間を守るあるいは仲間を生かすための行為らしい。
自身が敵の餌食になるため、自らを傷つけ弱らせ、単独で敢えて目立つようにすることもあるそうだ。
5年前……。
仕事のトラブルで追われる羽目になり、横浜に逃げてきたことがある。
腹部に傷を負い、歓楽街の路地へ逃げ込み、飲み屋の建物の間に隠れた時……。
詩月に会った」
大二郎は、カップを手にとり珈琲を一口啜って続ける。