真夜中の魔法使い
小さな声でそう言うのが精一杯だったけれど、お返しにお兄ちゃんは満面の笑みを見せてくれた。
「と、いうことで明日からの課題は今まで以上の完成度を期待しているからね。」
ホッとしたのもつかの間、先ほどとは打って変わって甘さの欠片もない言葉に涙は引っ込んでしまった。
「ええ~無理だよそんな・・!」
「俺の妹のくせに?」
ニヤリと笑った兄は、妹に何を言わせたいというのだろうか。
「そ、そんなこと言われても!」
「こう言えば意地になって完璧に仕上げてくるんだろうと思ったんだけどね。」
そう言われればもう反論のしようがなかった。
ミナトほどミユウの性格を熟知している人はいない。叶うわけがないのだ。
「わかった。頑張るから。それで、どんな課題なの?」