調導師 ~眠りし龍の嘆き~
覚えている。
赤と青の光り。
美しいとさえ思える刀。
「一族が代々守ってきた刀なのです。
当主が受け継ぐことになっており、その姿は禍々しくも美しい。
血を求めて鳴くのだと言われております」
「血を……求める……?」
「はい。
その刀を持った者は、ただ血を求めて彷徨う破壊者となると…。
これは、書庫にあった古い日記に記されていた事です。
何分古い記録です。
刀も伝えられてから数百年とありました。
他にも刀に関する物がどこかに眠っているかもしれません」
「刀か……」
「わたくしがその日記から読み取った記憶では…。
刀によってある時を境に、歴代の当主達が正気ではいられなくなったとの事。
人を殺すと言う意志は、その刀から生み出された物だと言うことです。
あの刀を消すことができれば……」
「……」
一気に刀の存在が大きくなる。
憎むべきは刀だと。
少し心が軽くなる。
確かにあの時の父の様子は尋常ではなかった。
居並ぶ重鎮達の様子もおかしかったように思う。
ドタドタドタッツ。
「愛理様っ!!」
勢いよく襖が開けられる。
「っ何事ですっ」
「ごっご当主様がっ」
「っ御祖父様がどうなさったのですっ?!」
顔を見合わせる。
そして示し合わせた様に同時に立ち上がって駆け出す。
部屋には母のみ。
他の者の姿はない。
「御祖父様っ。
…御祖母様。
他の者達は?」
「人払いをさせました。
わたくしだけです」
「そうですか……」
「あ…いり……」
「はい。
御祖父様。
わたくしはここですわ」
もうほとんど目が見えなくなった様子の父の手を握る娘。
言葉を逃がさないと言うように真剣な面持ちでみつめている。
「おまえの……むすこ…。
つぎの…とうしゅに………」
「はい」
娘と母の反対側にまわり、脈をとる。
もう時間は残り僅か。
「どうなのです?」
問いかける娘に静かに首を横に振って返す。
「っ……」
赤と青の光り。
美しいとさえ思える刀。
「一族が代々守ってきた刀なのです。
当主が受け継ぐことになっており、その姿は禍々しくも美しい。
血を求めて鳴くのだと言われております」
「血を……求める……?」
「はい。
その刀を持った者は、ただ血を求めて彷徨う破壊者となると…。
これは、書庫にあった古い日記に記されていた事です。
何分古い記録です。
刀も伝えられてから数百年とありました。
他にも刀に関する物がどこかに眠っているかもしれません」
「刀か……」
「わたくしがその日記から読み取った記憶では…。
刀によってある時を境に、歴代の当主達が正気ではいられなくなったとの事。
人を殺すと言う意志は、その刀から生み出された物だと言うことです。
あの刀を消すことができれば……」
「……」
一気に刀の存在が大きくなる。
憎むべきは刀だと。
少し心が軽くなる。
確かにあの時の父の様子は尋常ではなかった。
居並ぶ重鎮達の様子もおかしかったように思う。
ドタドタドタッツ。
「愛理様っ!!」
勢いよく襖が開けられる。
「っ何事ですっ」
「ごっご当主様がっ」
「っ御祖父様がどうなさったのですっ?!」
顔を見合わせる。
そして示し合わせた様に同時に立ち上がって駆け出す。
部屋には母のみ。
他の者の姿はない。
「御祖父様っ。
…御祖母様。
他の者達は?」
「人払いをさせました。
わたくしだけです」
「そうですか……」
「あ…いり……」
「はい。
御祖父様。
わたくしはここですわ」
もうほとんど目が見えなくなった様子の父の手を握る娘。
言葉を逃がさないと言うように真剣な面持ちでみつめている。
「おまえの……むすこ…。
つぎの…とうしゅに………」
「はい」
娘と母の反対側にまわり、脈をとる。
もう時間は残り僅か。
「どうなのです?」
問いかける娘に静かに首を横に振って返す。
「っ……」