専務が私を追ってくる!

毎日彼の車で出社すると社内に変な噂が立ちそうで怖いので、私たちは別々に出社するようにした。

ただでさえ社長の息子というだけで専務になった修をよく思っていない社員がいるのに、自分の秘書と一緒に生活しているなどと知れたら心象が良くない。

一定の成果が挙がるまで、スキャンダルはダメだ。

いや、成績が挙がったとしても、できるだけ避けなければ。

「今日は病院寄ったらN市の商工会議所に直行する。今回も商店街の頑固ジジイ(自治会長)とバトルの予定だから、何時に戻れるかは不明。夕飯は済ませて帰るよ」

「わかりました。帰る前に連絡をください。ミキとミカをお願いします」

子猫を病院へ預けるのを修に任せ、私はバスで出社。

ササッと着替えて専務室で一人、業務を開始する。

先月のうちに観光事業課の仕事を一段落させた修は今、N市の開発に向けて具体的に動き出している。

現地調査や市役所地域振興課の人との打ち合わせ、そして頑固で手に負えないと愚痴っている商店街の自治会長の説得。

これらはかなり時間を使うため、他業務とのスケジュール調整が難しい。

そして彼が忙しければ忙しいほど私の仕事も増えるので、もう必死だ。

< 118 / 250 >

この作品をシェア

pagetop