専務が私を追ってくる!
「んーーー!」
彼の背中をバシバシと叩き、抵抗する。
しかし修はがっちり私をホールドしており、やめる気配はない。
少し力が緩んだところで
「ちょっと……!」
と咎めようとすると、口が開いた隙を突かれて舌まで入ってきた。
ざらついた彼の舌は私の癖を見抜いているような動きで上手に私のそれを捕らえ、なぞり、程よいタイミングで息をつく。
突然のキスに心拍数は跳ね上がり、体中に力が入る。
彼の舌を噛み切るわけにもいかず、そのまま約1分間。
修の気が済むまでこの状態だった。
「……何するんですか」
解放された時には完全にふやかされて、責める言葉も弱々しい。
ドキドキのせいでフローリングに着いた頭が自分の脈に合わせて揺れる。
「何って、チューだよ」
「そういう意味じゃなくて」
「したかったんだもん」
修が両手で私の顔を包む。
またやられそうな感じだ。
「女の人と飲んでたんでしょう? 私じゃなくたって……」
相手はいたんじゃないですか?と、私は棘を刺そうとした。
しかし。
「好きでもない女とこんなチューができるか気持ち悪い」
「なっ……!」
なんか今、どさくさに紛れてものすごいことを言われた気がする。
「ね、もう一回しよう? 郡山さんとなら何回でもしたい」
この人、自分が何を言っているかわかっているのだろうか。
泥酔しているわけではないようだが、お姉さんがいるお店に理性を置いてきてしまったのかもしれない。